新・雑俳の手引き ＵＳＥＮ『うまいねどぉ〜も川柳道場』の選者半駄小手咲です。 このたび縁あって選者を仰せつけられました。よろしくお願いいたします。 私は「つ花連」という噺家仲間の連で、江戸言葉遊び「雑俳」（ザッパイ）を 篝火舎心亭宗匠より教わっております。 よって、私の出す川柳の兼題は、雑俳の式目に従い前句附・笠附・沓附・折り句、立入 等のしばりの有る題が多くなります。また、その方が初めての方も入りやすいと思いま す。 「雑俳」には、洒落・川柳をはじめとして、地口・冠沓・院山寺号・なもの附・無駄 口・物者附狂歌・江戸振小唄、等々、数多くの言葉遊びがあります。その中から、川 柳以外にも、皆様にお楽しみいただける言葉遊びを、洒落を中心として御紹介していこ うと思っております。 ＜「効キ」について＞ また、雑俳では捌き手（選者）が、何故その句を選んだのかという理由付けに「効キ」 （キキ）という句を前に附けて、発表いたします。これによって、選ばれた句の味わい が引き上げられたり、また、作者と違った意味に取られることもあり、思いもよらない 効用がでてきます。これが雑俳の楽しみでもあり、一般の句会とは一線を画すところだ と考えております。 私も力不足ながら、この式目にならい高得点の句には効キをお附けしようと思っており ます。 ＜楽しい、粋な番組に！＞ 私は、言葉遊びは大好きなのですが、けっして文学なんぞというモノに造詣があるわけ ではありません。ただ、商売柄創るという作業は大好きです。 そんな私が捌きをいたしますので、川柳というよりは思わず笑ってしまう狂句に近い句 も多くなることと思います。何卒、よろしくお付き合い下さい。 「うまいねどぉ〜も川柳道場」を皆様と一緒に楽しい、粋な番組にしていこうと思って いるしだいです。 お気軽に投句してください。心よりお待ちしております。 ぜいたくは うちでスキヤキ ヨード卵 半駄小手咲（柳家小ゑん） 【目次】 ●川柳の愉しみ方（式目集１） 川柳・笠附（カサヅケ）／ 川柳・伊勢笠附（イセカサヅケ）／ 川柳・沓附（クツヅケまたはクッツケ）／ 川柳・据字附（スエジヅケ）／ 川柳・前句附（マエクヅケ） ●川柳の愉しみ方（式目集２） 川柳・折句附（オリクヅケ）／ 川柳・気結折句（キムスビオリク） 川柳・同字折句（ドウジオリク）／ 読込川柳 ／ 立入川柳／ 割句川柳 ●雑俳の愉しみ方（式目集３） 洒落附（シャレヅケ）／ 冠沓（カンクツ）／ 気結冠沓（キムスビカンクツ）／ 地口附（ジグチヅケ）／ 地口附『いろはがるた』／ 地口附『小倉百人一首』／ 院山寺号（インサンジゴウ） ●自由連句のたのしみかた |
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川柳・雑俳の用語集 解説をお読みになる際、ご利用ください。 ※１ 「式目（シキモク）」 ルールのこと ※２ 「雑俳（ザッパイ）」 江戸時代、大衆の間で流行したさまざまな言葉遊びの総称。 ※３ 「兼題（ケンダイ）」 投句募集に際して「お題」を示す事、およびその「お題」 ※４ 「しばり」 作句上のきめごと。俳句の「季語」「切れ字使い」もその一種。 ※５ 「上五（カミゴ）・中七（ナカシチ）・下五（シモゴ）」 ５・７・５型式の場合の各部分を個別にこう呼びます。 ※６ 「笠（カサ）」「冠（カン、カンムリ）」および「沓（クツ）」 人間の姿になぞらえて、５７５型式でも７７型式でも 句の頭に附く部分を「笠」、末尾に附く部分を「沓」と呼びます。 また「笠」以外に「冠（カン、カンムリ）」を用いる場合もあります。 ※７ 「長句（チョウク）」と「短句（タンク）」 連句由来の用語。連句は「５７５」と「７７」を交互に附けて遊ぶものですが 「５７５」を「長句」、「７７」を「短句」と呼びます。 ※８ 「前句（マエク）」「附句（ツケク）」 連句で交互に句を附ける際「ひとつ前の句」を指します。 連句では必ず「前句を受けて次の句をよむ」ことになっていますが、 たとえば川柳のお題で前句を一つ出題して次の一句を競い合うことがあります。 この場合、前句は必ず短句の形をとります。（「前句附」参照） 前句に附けた句、およびそれらの遊びを総称して「附句」といいますが こちらはあまり用いられません。 ※９ 「病句（ヤマイク）」 式目に反した句をいいます。 従って「病句」は選評の対象外となり どんなに面白くても、抜かれることはありません。 |